鼻出血
鼻血
鼻血は一般的な症状で、特にお子さんの鼻血は日常生活でも起こります。
鼻を打って鼻血が出るほか、鼻炎や副鼻腔炎などの鼻のムズムズした症状で鼻の穴をいじることにより鼻血を出してしまうことも多いです。
鼻血は一般的には心配のいらないものがほとんどで、鼻をつまめば止血ができます。
しかし、通常は直接命にかかわることはないのですが、血友病・白血病などの重大な病気が背景にある場合もありますのでなかなか鼻血が止まらなかったり、頻繁に鼻血が出るという方は一度検査してみることをおすすめします。
鼻血の原因
鼻血は小鼻の内側にある鼻中隔の粘膜が、何かしらの原因で傷つくことで起こります。
内側の粘膜は、血管が網の目のように走っていて傷がつくと簡単に出血します。
傷がつく原因は、ぶつかったりして鼻を打つといったことのほか、高血圧症や動脈硬化症の方は、鼻出血傾向が強いとされています。
突然大量の鼻出血があった場合には、鼻の奥のかなり太い動脈が破れたことも考えられますので、救急要請をして専門医を受診することが必要です。
心筋梗塞など循環器系の病気をお持ちの方で、血液をサラサラにするお薬を服用されている方は、通常より鼻血が出やすい傾向にあります。
また血友病や白血病、肝硬変、腎臓病などの全身に及ぶ病気の方も出血傾向が強いです。
頻繁に鼻血が出る、止まりにくいなどに加えて、打った覚えがないのに皮膚に内出血が見られる、歯ぐきからも出血する、何となくだるいといった症状がある方は、内科を受診して鼻血の原因を調べることをおすすめします。
その他にも鼻風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎といった鼻症状をお持ちの方も、鼻粘膜が腫れて過敏になり傷つきやすいので鼻血が出やすくなります。
必要以上に強く鼻をかまないなど注意が必要です。
このほかにも鼻周辺に重大な病気があって鼻出血をすることが稀にあります。
例えば、病気では上顎癌、上咽頭腫瘍、頭を強打した後の頭蓋底骨折など、それぞれ専門医を受診する必要があります。
鼻血の対処法
鼻血が出たら、まずは落ち着くこと。
驚いてしまうかもしれませんが、あわてずに次のような方法で止血します。
安静を保ち、親指と人差し指で小鼻をできるだけ上の方からギュッとつまみます。
このとき、大人の場合はうつむき加減に座ります。
小さいお子さんの場合は親御さんの膝の上に座らせてください。
通常、5~10分間押さえていれば止まります。
脱脂綿などをつめて鼻血を止める方は鼻の入り口につめるのではなく少し長めの脱脂綿をキーゼルバッハ部位まで入れて小鼻をギュッとつまみます。
鼻血が出た時に仰向けに寝たり、頭を後ろに倒す方がいますが、血液が喉に流れて飲み込み、吐き気を覚えることがありますので必ず座るようにしましょう。
少し出血量が多くて喉の方に血液が流れてしまう場合は、飲み込まずに口から吐き出すようにしてください。
当院では止まらない鼻血の治療として出血部位をレーザー治療したり、ガーゼを挿入して止血することもあります。
また原因に応じてお薬を内服していただくこともあります。